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   《新境地開発・カップリングバトン編・その1》


(04/)と(10/)が、公衆の面前で熱いキスを交わしてる。
→オニオンとフリオ

「んん……」
「んー!」
「んぐぐ」
「んぐががががが!!」
 オニオンの足元で、土台代わりに踏んでいる段ボール箱がガタガタなっている。うっかりすれば箱ごと転落間違いなし。しかたがない。背伸び程度ではうまらないくらいの身長差なのだから。
「(そろそろ離れてもいいでしょ!?)」
「(そ、そんなこと言われたって、俺にもタイミングなんて…)」
「(フリオニールが終わるとこ決めろよ! 失敗したら君のせいだからね!?)」
「(無茶言うなよ! だいたいオニオンだって《賢者》なんだろう!? キスのタイミング程度もわからないのか!)」
「(そっそんなことないよ! 僕はなんでも知ってるんだからね、フリオニールと違って!)」
「(じゃあいつ離れるかさっさと決めてくれ)」
「(え、えーと、ええと…)」
 キスというか、なんというか。
 長い銀髪が精悍な印象の青年と、兜の上で羽飾りがふわふわとゆれる少年が抱き合ってディープキス。外からみればそれなりにビジュアルは絵になっている。絵にはなっている。が……
「こらーフリオニールーっ! 目ェ開けたらダメっス! ムード台無しになるッスよ!」
「そこ、ちゃんと手を腰にまわせ! オニオンもちゃんと口あけるの! もっとロマンチックに!」
「あはは、フリオニール、けっこうエスコートが上手。様になってるねえ」
 わーわーぎゃーぎゃー騒いでいる少年たちの横で、スコールはこちらもまた、ツッコミを入れるタイミングが見つからないで迷っている。助けを求めてちらちらと横に視線をやっても、あいかわらずのWoLはまったくブレない無表情で平然と酒を飲み続けているし。ティナはその横でがっしゃがっしゃとシェーカーを振っているバッツの隣でほっぺたを桜色にしてニコニコしているし。
 バッツがヘンなボケをかましてくれれば突っ込めるかもしれないが、しかし、この状況で止めに入ったら自分のほうに火の粉がふりかかってきそうだ。だったらスコールが見本をやってみせろ、とか……
 ちらっと横を見ると、やっぱりとてもとても微妙な表情で二人のバツゲーム、もとい、ラブゲームを見ているクラウドの姿が。スコールはクラウドとはあまり話した事もないが(双方無口なので仕方がない)、お互い、感情表現が苦手な同士で微妙なシンパシーみたいなものを感じる。ぼそっ、とクラウドがつぶやくのが聞こえたのは、スコールが声をかけようかと思ったのとほぼ同じタイミングだった。
「止めないのか、スコール」
「……お前こそ」
「……」
「……」
 がっしゃがっしゃがっしゃ、と気持ちのいいシェイク音が聞こえる。「ほい完成」と銀色のシェーカーを開けてグラスにきれいな薄紫のカクテルをそそぐ。ティナは「ありがとう」と幸せそうな笑顔で受け取った。見ているだけでこちらまでふわふわした気分になれそうな極上の微笑だ。
「お酒って、こんなに美味しかったのね」
「喜んでもらえて何よりだな。っと、ライトさんはお代わりいるー?」
「では、戴こうか」
「んじゃ、アースシェイカーで。あ、それともラスティネイルもう一杯いっとくー?」
 意味はよくわからないが、物騒なものを作っている気がする。とてもする。ものすごくする。
「ねえ、クラウド」
「……なんだ、ティナ」
「なんだかオニオンもフリオニールも、つばめのお母さんと子どもがご飯を分けてるみたいで、とっても可愛い」
 それはたぶんオニオンが聞いたら泣く。たぶんフリオニールも。
「(……もしかしてフリオニール、これがファーストキスか……?)」
 考えているとなんだか可哀想で涙が出てきそうな気がする…… 突っ込んだら負けな気がとてもしたので、スコールは考えるのをやめた。酒代わりの辛いジンジャエールを一気に飲んで、無言のツッコミをむりやりのどの奥に流し込んだ。


子どもと童帝で何をしろと。




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「はいはい、よくできたねー」(03/)の頭を撫でながら誉めてやる(08/)
→バッツとティナ

「お願い……」
 ふわっ、とバッツの足が地面から浮かび上がり、そのまま、腰に巻きつけた薄布がひらりと舞い上がる。発動。音を立てて空気が凍結し、次の瞬間、クリスタルガラスを叩き割ったような澄んだ音が響き渡る。ばらばらと降る氷のカケラが、ちぎれたシャンデリアみたいにきらめいて舞った。地面に着地したバッツは「とと」と少したたらをふむ。あわててその手を誰が押さえた。
「バッツ、危ない」
「っと、ごめんごめん、ちょっとバランス崩した。ありがとな、ティナ」
 バッツに礼を言われて、ティナは、ちょっとあいまいなふうに小首をかしげた。照れているのか、礼を言うまでもないと思ったのか、それともバッツに注意を促したかったのか。すみれ色のひとみの少女は未だに感情を表すことが得意ではなくて、、その表情はいつも淡雪のように儚げで容が分かりにくい。が、悪い意味ではおそらくないだろう。バッツの腕をささえたまま、あたりに散らばった氷片を見回す表情は、やっぱりなんとなく明るいものだ。
「やっぱダメかなー、モーションがデカすぎる。いちいち目ぇまわしてたらボッコボコにされちゃうよな」
「バッツは、魔法もとっても上手なのにね……」
「ただまねっこしてるだけだって。元がいいんだよ。ティナがさ」
 なんとなくバッツが思いつきで言い出したことだった。《ものまね士》は最強の魔法系ジョブだって言われてた気がする。なんとなくする。そんなことを唐突に言い出したバッツに、けれどきちんと付き合ってくれたのはティナひとりだけで。まぁ、バッツの言うことをいつも半分受け流しているオニオンや、ああ見えて戦術の組み立て方なんかにはしっかりとした考え方を持っているセシルが付き合ってくれるはずもない。ティナが先生になってくれただけで万々歳といったところだろう。
「しかたないなぁ。やっぱ前を支えてくれる戦士がいないと、おれじゃダメか。いいアイディアだと思ったんだけど」
「そんなことないわ」
 が、ティナは、とても真面目にこたえた。そして「バッツはとっても上手にできたと思う」と真剣な口調で言う。ひたむきにこちらを見上げるすみれ色の目。柄にもなくなんだか照れて、「そうか?」などとバッツはカリカリと頬をかいた。
「うん、だからもっと練習しようね。そうしたらきっと、わたしの魔法、全部使えるようになるから」
「んー、うーん、でも、そこまでティナに付き合ってもらうのなんか悪いよ」
「そんなことない。…わたし、バッツと魔法の練習をするの、好きよ」
「そ、そう?」
「バッツは、とってもよく出来る人だもの」
 なんだか、弟をほめる姉のような口調だ…… ティナは世間知らずで年よりずっとあどけない印象があるくせに、こんなときに急に大人びた顔をするから、照れる。バッツは「ははは」などとごまかし笑いをしながら、ふと、思いついてひょいと腰をかがめてみる。
「?」
「ほら、ティナ、そんなによく出来てるんだったら、おれのこと褒めて褒めて。なでなで」
 ……ツッコミ待ち、ボケてみたつもりだったのだが。
「うん。バッツは、とってもいい子ね。よくできました」
「…わ」
 本当に、頭にぽふんと手が載せられる。華奢で小さな、白い手が。
「バッツはがんばっててえらいね。満点です」
「あは、ははは、はー」
 バッツは、柄にもなく真っ赤になってしまう。が、嬉しくないわけじゃない。むしろ逆だった。だからしばらくの間バッツは、先生に褒めてもらいたがる子どもみたいに頭を下げたまま、小さなティナにふわふわと頭を撫でてもらうままでいたのだった。


 なんだか珍しい女の子相手に照れるバッツ。


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「ちゅーしてよ、ほっぺでいいから」(06/)におねだりする(09/)
→ティーダとセシル


「そういえばさっき、ティーダ、なんだかいろいろフリオニールに言ってたけど」
「んぁ?」
 バツゲームが終わってどっぷりと落ち込んでいる二人を、向こうで無口コンビが慰めようとわたわたしている。さっきふざけすぎて頭をどつかれたティーダは、ふと、横のセシルにそんなことをいわれて、首をかしげてふりかえった。
「ムードが台無しだから目を閉じて、って」
「…あぁ、そんなこと、言ったかも。でもどーしたッスか?」
「大人っぽいことを言うんだね。少し感心したよ」
 ふえ? とティーダは目をぱちくりとまたたく。セシルはふわりと微笑んだ。はにかんだような表情だった。
「あまり憶えていないんだけどね、女の人によく怒られていた気がするんだ。セシルはムードがない、って」
「そうなんッスか?」
 ティーダはまた目をまたたく。セシルをしげしげとみた。ふわふわと肩にもつれる真珠色の髪。磁器のように白い頬。うっすらとラベンダー色の紅が乗せられたくちびる……
「だめなんだ、そういうことが苦手なんだよ。僕は子どもの頃からずっと戦い一辺倒だったからね。あんまり上手に"ムードをつくる"とか出来なくって」
「う、うん」
 なんだかじっとみていると、変な気分になってきた…… ティーダは思わず斜めに視線をそらす。が、"そういうことが苦手"という発言はまったくの本当だったらしく、セシルはそんなティーダの様子にぜんぜん気付いていなかった。なんだか触った指がすりぬけそうにふわふわとした雰囲気のまま、ふと、首をかしげる。いつもみたいに。
「ティーダに教えてもらおうかな?」
「へっ? な、何をッスか?」
「うーんと、そうだね、ムードのあるキスのしかた」
「え……えええっ?」
 ティーダは、頭がカッと厚くなるのを感じた。目を丸くしてセシルを見る。セシルは、ちょっと首をかしげる。いつもの癖どおりに。
「ダメかな?」
「だ、ダメって、それはやっぱ…… ダメッスよ!! セシルにそーゆうこと言ってくれた女の人に悪いッス!!」
「うん、でも、彼女のためだと思うんだけどね。僕があんまり鈍いままだと申し訳ない気がするんだ」
 気を回す方向が確実に間違っている。が、頭に血が上ってうまくそれを口で言い表す方法が思い浮かばない。「あー」だの「うー」だのいいながらティーだが頭をかきむしると、セシルはちょっときょとんとした目をして、それから、くすくすと笑い出した。
「ほっぺたで十分だよ?」
「えー、あー、それはー」
「おでこでもいいけど」
「そういう問題じゃなくて、あと、でこちゅーのほうが本気度高くてまずいって!」
「え、そうなんだ。難しいんだな……」
 真剣な顔で、口元に指を当てるセシル。まずい、とティーダは思う。回りから空気読めないだのなんだのしょっちゅう言われているティーダだが、人並みに女の子を好きになったこともある(と思う)身分なのでこういう状況の流れくらいは読める。このままだとほっぺじゃすまなくなる。というか、オニオンとフリオニールの二の舞になる!!
「(それに…… なんかセシルのほっぺたって)」
 首を傾げ、なにやら真剣に考えている、おっとりとした聖騎士。
「(真っ白ですべすべしてて、なんつうか、ホントに血が通ってるのか?って気はしてたけどさ)」
「……あの、ティーダ!?」
「うぼぁっ!?」
 セシルは目をぱちくりとまたたく。長いまつげの一本一本までが、まるで霜のように白く、そして繊細なつくりをしているのがはっきりと分かった。それくらい近い距離だった。
「ねえ、やっぱり頬にしよう。真剣にいろいろ教えてもらいたい気分になってきたんだ」
「いろいろ…… いや、色々とかダメッス! ちゅーならともかく!!」
「あ、キスならいいんだね」
「〜〜〜〜!!!」
 だから、首を傾げないでほしい。目を細めて笑わないで欲しい。はにかんだような顔をしないで欲しい。
 まるで血の通っていないような頬に、少しだけ赤みがさして、触れたくなるような桜色になってしまうから、とティーダは思った。そう思って、思ってしまった自分に気付いて、さらに頭が真っ白になってしまう。
 ……未知の、感覚だった。



 人生は選択の連続です。どうする? どうなる??

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「監禁は僕なりの愛情表現ですよ」犯人(02/)に狙われた(07/)
→クラウド と スコール

 手足を動かすと、じゃら、と重たい金属の音がした。スコールはその音でわずかに意識が覚醒するのを感じる。うっすらと、瑠璃のひとみが開いた。目の前に彼がいた。
「……クラウド……」
「動けるようになったのか」
 感情のない声が言う…… もとより、クラウドは感情の薄い男だった。表情の動かない人形のような顔立ちと、非人間的な鮮やかさを持った異様でうつくしいひとみ。だが、この様子ではクラウドは人形を通り越してもはや異形だ。触れれば指が凍りつき、落ちてしまいそうな温度をたたえた目に、スコールは、全身の肌が粟立つのを感じる。
「お前なら、耐えられるだろうと思った……」
「……」
「大丈夫。もう少しだけ我慢をすれば、何も怖くはなくなる。お前は楽になれるんだ、スコール」
 つい、と指がのばされる。スコールは顔を背けた。手足をつらぬきとおした杭が骨にも響くような痛みを伝えた。が、それよりもなお、目の前の青年のほうが恐ろしい。人間とはまるで異質なものに成り果てたクラウドが、怖い。
「俺に触れるな……」
「何を言っている。オレは、お前の全てに触れた。その身体の中で知らない場所はもうひとつもない」
 うっとりと微笑んで、クラウドは指を下へとすべらせていく。一筋の傷がよぎる眉間、高く細い鼻梁、貴族的なバランスを持った顎のかたち、喉首、鎖骨のくぼみ、胸骨の合わせ目、形いいへそのくぼみ。
「お前の骨はすばらしい。硬く、そのくせにしなやかで、均整が取れていて」
「触るな……」
「お前の血は熱く苦い。漿液はきらめくように透き通っていて、甘い香りがする。お前はまるで搾られる前のぶどうのようだよ、スコール。細胞のひとつひとつに、まだ成熟する前の美酒が充たされている」
「……ッ」
「不純物はいらない。お前の、その怯えや恐怖だけが、いらないんだ。オレはお前を純化してやりたい。お前を、充たしてやりたいんだよ、スコール」
 指先が口の中に差し入れられる。反射的に吐き気が喉からこみ上げて、スコールは、とっさにその指に歯を立てそうになった。だが必死でその衝動をこらえる。もしも咬めば皮がやぶれ血がほとばしるだろう。そして、その血液こそが、最も忌まわしい毒なのだから。
「スコール、怖いものは全て消してしまおう?」
 指先に唾液を絡め、硬く粒のそろった歯をさぐりながら、クラウドは、囁いた。《人でなし》の持つ、忌まわしくも恍惚とした悦びを、たっぷりと含ませて。
「そうすれば、楽になれるんだ。オレは誰よりもそれを知っている」
「―――ッ!」
 まるで、蛇の冷たい皮膚になでられるような悪寒が、喉の奥をせりあがってくる。
 クラウド、あんたは、どうしちまったんだ。本当のあんたはどこに行っちまったんだ?
 嫌悪と憎悪に顔をしかめる少年の、瑠璃のひとみに、うすく、涙がにじんだ。兵士は陶然としてそれを舐めた。異形のものの美しいひとみに浮かんだものをスコールは見た。それは生きたままの獲物を飲む肉食のものの、甘く熱い悦びだった。


 リユニオンされちゃいそうなスコール…… そしてクラウドはどうしてこんなにヤンデレが似合うんだ(´・ω・`)





(05/)にくっついて離ようとしない(01/)
→WoLとジタン

 WoLに、尻尾が生えている。
 横を通りすがりざまにそれを目撃しかけたオニオンは、一瞬、何気なくそれを見逃しかけて、すぐにぎょっとして振り返った。尻尾? リーダーに尻尾!?
「どうしたの、オニオン?」
「どうした、オニオン」
 隣を歩いていたティナと、気配に気付いたWoLが、同時に問いかけてくる。そしてさらに。
「なんだよその顔、どうしたんだよオニオン」
 ライトの背中にへばりついていた、《尻尾》もついでに問いかけてきた。
「……ライトさん、それとジタン、何やってるの」
「見りゃ分かるだろ。おんぶだよおんぶ」
 ジタンはごく当たり前のことのように言って、金色の尻尾を揺らす。見りゃわかる、とオニオンは思わず怒鳴りそうになった。なんとか喉の奥に飲み込む。ココで怒鳴ったら負けだ、と賢者の勘が告げていたのだ。
「どうして、ライトさんが、ジタンをしょってるんですか?」
「おい、返事ナシかよ」
 くちを尖らせるジタン。困った様子で目をきょろきょろさせているティナ。が、ここはあえてWoLに問いかけるのが正しい判断なのだ。彼は正しいことしか言わない。というよりもむしろ、正しいこと以外に言うことが思いつかない人間だ。
「悪いが、ジタンに聞いてくれ」
 が、そのWoLの答え自体が、なんだかすでにヘンだった。
「私にも理由は分からない。ただ、彼が離れてくれないというだけのこと」
「分かるまで離れないからな、言っとくけど」
 いーだ、とジタンが舌を出す。WoLがため息をついたような気がするが真相は定かではない。ティナがややテンポを遅らせて首をかしげた。
「ジタンが、WoLのそばを離れたくないから、おんぶをしてもらっているの?」
「そ。ティナは賢いなー。そこのチビよりずっと」
「君にだけはチビって言われたくない!」
「ンだよちびすけ、文句あんのか」
 売り文句に買い文句。が、それでもジタンはWoLの背中にしがみついたまま離れようとしない。よっぽど離れたくない理由があるのか。どんな理由なのか。
「重たくないんですか?」
 思わず、といった風にティナが問いかける。WoLは淡々と答える。
「彼一人くらいなら、どうといったこともない」
「……おい、それどういう意味だよ」
「……」
「オレにも返事しろってば! WoLのバカ! ツノ! ひこにゃん!!」
 背中からキーキー言って角を引っ張っている山猫にはかまわず、WoLは再び歩き出した。がっしゃんがっしゃん、と聞きなれた重量級の足音。が、ふと気付いたように振り返る。
「二人は、私に何か用があったのか」
「えっと、それは……」
「あ、いえもう、なんでもないです! 取り込み中みたいだし別にいいです!!」
 さらに問いかけようとしたティナをあわててさえぎり、オニオンは引きつり笑顔で手を横に振る。しばらく黙って二人を見ていたWoLだったが、まもなく、「そうか」と短く答えて元通りに前を向く。そして彼らはがっしゃんがっしゃん、と音を立てながら歩いていった。普段よりも8割増しくらいの音を立てながら。
「……どうしたのかな、ライトも、ジタンも」
 ティナは心配そうに二人の行くほうを見送る。が、オニオンは憮然とした声で、「気にしたら負けだよ、ティナ」と答えた。
「ああいうのはね、邪魔すると馬に蹴られるからほっとくべきなんだ」
「そ、そうなの?」
「そういうもんなの!」


 人の恋路を邪魔するヤツは馬に蹴られて死んじまえ。(…FFだとチョコボ?)