/椿と狛江の福袋
昨日と同じ今日、今日と同じ明日。
世界は繰り返し時を刻み、変わらないように見えた。
だが────────
……だがしかし、『お正月』という非日常は、年に一回必ずは訪れるのである。
東京ならアキハバラの片隅にある、小さなメイド喫茶、『ゆにば〜さる』。
小ぶりな上にまだまだ新装開店の域を抜けない店だが、実に『わかっている』接客の数々の上に、個性的なメイドが集まっていることから人気の高い店でもある。そんな『ゆにば〜さる』にも正月は来る。そして、客商売の常として、正月は大いに稼ぎ時であり、掻き込み時。イベントを開けば客はくるし、客が来れば忙しくなる。それでも正月は訪れるのだ。
そんな12月31日の、『ゆにば〜さる』、控え室。
「なあなあ、聞いた!? 椿!!」
「何?」
現在、時間は11時。
控え室に戻ってきた椿を出迎えたのは、興奮気味の声だった。見るとそこにはメイドの制服――― 『着物仕様』ならぬ『空手着仕様』の衣装を着たままの少女が一人。凛々しい眉と大きな目、闊達そうな雰囲気が魅力的な彼女、辰巳狛江。この『ゆにば〜さる』のメイドの一人にして、椿の同僚の一人である。
狭苦しい控え室だ。仮眠にも使えるソファには布団がかけられ(同じ苗字の若干二名がここに生息していた)、店の奥には店長が割引で買い込んで来た小型テレビがバラエティ番組を放映している。12時になればカウントダウンイベントでメイドは総出で店に出ることになるから、短い休憩時間だ。そんな中、ウエイター姿の椿に、狛江は興奮気味に話しかける。
「『福袋』って知ってる!?」
「はあ?」
「今テレビで見たの! 『福袋』って、幸せが入っている袋なんでしょ!?」
……何事?
めんくらう椿に構わずに、狛江は拳を硬く握り締めて、「くぅ〜っ!!」と興奮気味に声を漏らす。その目の前のテレビでは新年を間近にした街の風景が映し出されている――― にぎやかな街の風景を。
今、ちょうど放映されていたのは、カウントダウンと同時にバーゲン商戦が始まり、『福袋』の販売が始まるというニュースだった。デパートやブティックの前にはたくさんの人々がコートで並び、アナウンサーの問いかけに照れた笑顔で、あるいは緊張した面持ちで答える。今年の福袋の中身、などもレポートされているのを見て、椿はようやく真相を悟った。
―――狛江は、今この瞬間まで、『福袋』の存在を知らなかったのだ、と。
「すごい! FHのテクノロジーは世界一って思ってたけど、普通の人間もすごいんだな! あたし、初めて知った! 『幸せ』って袋に詰めて販売できるもんなんだね!!」
「あ、あのね、狛江……」
「ほしいほしい絶対ほしい! あたし今年は絶対に幸せになるんだー!!」
買うぞー! と拳を突き上げたのは一瞬…… いきなり、「あ」と声を漏らすと、狛江の眉が下がった。
こそこそと部屋の片隅に行き、財布の中身を確認する。いちにいさん、と小さな声で数えると、また、こそこそと財布をしまった。一瞬だけ椿を見るが――― すぐに、「あはは、なんでもないっ!」と笑うと、メイド服姿のまま控え室を出て行った。その後姿を見ながら、絶句していた椿は、ようやく我に帰ってくる。そこに、入れ替わりに控え室に入ってきた少年から、声がかけられた。
「よう、何やってんだ、椿」
「あ、隼人」
どことなくめんどうくさそうな仕草の彼の名は”ファルコンブレード”高崎隼人。しかしその名も今は無い。今の名前は”普通系”…… 立派なこの『ゆにば〜さる』の同僚である。椿とは付き合いも長い同じUGNのチルドレンだ。
「なんかえらく盛り上がってたな、狛江」
まあ、いつものことだけど、とつぶやきながら背後を振り返る隼人に、椿は力なく笑った。複雑な気持ち。なんと答えればいいのか分からなかった。
「うん、あのね、狛江、『福袋』が買いに行きたいんだって」
「へー。だったら、明日のシフトが空いたら買いに行けばいいんじゃないか? まあ、アキバだと女が欲しいようなもんは売ってないかな。でも、だったら薬師寺店長と一緒に渋谷あたりまで出れば……」
「そうじゃないの。それに、狛江は普通の服は着ないでしょ」
―――事実、彼女はメイド服を着ていないときは、必ず空手着かジャージ着用だ。
まあそうさなあ、と頬を掻く隼人に、椿は苦笑した。どうしようもない気分で。
「狛江――― 『福袋』のこと、なんか誤解してるみたい」
「はあ?」
「『幸せが入ってる袋』だと思ってるんだって…… たぶん、今まで一回も『福袋』を見たことが無かったのね」
あ、と隼人は声を漏らした。一瞬の沈黙。店のほうの大騒ぎと、テレビの音量が特別に耳について聞こえた。
―――狛江、椿、隼人。彼らは三人とも、『普通の人間』ではなかった。
幼いときにレネゲイド・ウイルスに感染し、狛江はFH、椿と隼人はUGNと場所は違えど、戦闘のためのエキスパートとして育てられてきた子供たちだった。だから日常を知らない。それでも、任務を通してたくさんの人々と知り合い、少しづつ『人間』としての経験を増やしていった椿と隼人とは違い、狛江はほんとうについ最近『チルドレン』としての生き方から開放されたばかりだ。
『日常』について何も知らない。知識が少ない。普通の人間としての幸せを、知らない。
「んんん―――」
隼人は、困りきった顔で頭を掻いた。
「そうだよなあ。あいつ、いろいろ経験薄いもんなあ」
「普通の正月を過ごすのだって、初めてじゃないのかな?」
「そういや、スペシャルメニューでえらくもりあがってたっけ」
ちなみにスペシャルメニューとは、狛江が山で捕ってきた猪の肉の入った『干支雑煮』だ。今も店内でお客たちの注文が殺到し、飛ぶように売れている。新年を『ゆにば〜さる』ですごすべく集まってきた店のファンたち。男性も女性もオタクばかりだが、みんな、それぞれ気の会う友達と連れ立って最高に盛り上がっている。おそらくは狛江にとっては初めてといっていいくらいの楽しい正月なのだろう。ひどくはしゃぎまわっている姿は最初から分かっていて、店内で瓦は割る、手刀で瓶を切るなど様々な芸を見せてはうけを取っていた。その姿を見ているだけに、なおさら二人は余計に悩んだ。
「いやそれにしたって普段からテレビとか普通に見てたら分かる…… 分からないか。あいつ、普段は山に住んでるんだっけ」
「うん。だから今お金気にしてたみたい。さっき財布もってでてったけど、霧谷さんに給料の前払いの話をしにいったんじゃないかな」
今もUGNのエージェントとして各地に派遣されている二人と違い、FHを離れ、普段は山にこもって空手の修行に明け暮れている狛江は収入が少ない。この『ゆにば〜さる』にまで働きに来る時は財布の中身が空っぽになっていることがほとんどで、たぶん、今だってほとんど財布が空に近いのだろう。たぶん幸せは高い。お金がいっぱいないと買えない。でも欲しい。そんな狛江の見当違いな悩みを思って、椿はなんともいえない気持ちになる。
「福袋って、幸せが入ってる袋じゃないよなー」
「うん、私も買ったことはないけど、ハズレのものが入ってることも多いって桜ちゃんが言ってた」
「そもそも普通の服を着ないんだったら、なんの福袋を買うんだよ? そもそも狛江が幸せになるようなものが入ってるような福袋って…… なんだ?」
二人は顔を見合わせ、悩んでしまう。しばし黙り込む。そこに、誰かの声が怒鳴り込んだ。
「おおい、そろそろカウントダウンだぞ! 椿、そろそろホール!」
同僚の上月司。椿は慌てて立ち上がる。
「と、とにかく私、ホールに戻らないと」
「あ、俺も戻る」
「え、まだ休憩になったばっかりでしょ?」
「まだまだ。普段どれだけこき使われてると思ってるんだよ。それに…… こんなに楽しいこと、見逃せるわけないだろ?」
隼人はニッと笑った。
「さー働く働く! キリキリ労働!」
椿の背中をぱんと叩く。その勢いに押されるように、椿はあいまいに頷いた。
ホールに出てみると、歌声が、聞こえてきた。
「もー、いーくつねーるーとー、おーしょうがーつー!」
『ゆにば〜さる』のあまり広くないホール、そのホールの中央にある小さなステージで、客たちが肩を組み合って、歌っていた。
いくつかのメイド喫茶の例に漏れず、『ゆにば〜さる』は夜になれば酒も出る店だ。今日は特別にどこかから(たぶんUGNの本部からだ)樽酒やシャンパンが持ち込まれ、客たちはみんな陽気に酔い、騒ぐ。歌って踊って精一杯に騒ぎながら新年を迎える。その勢いがどうずれたのか、気がつくと店は歌声喫茶と化している。舞台の上で狛江は妙な柄のTシャツの男性たちと肩を組んで歌っていた。嬉しそうに笑いながら。
「おしょうがつには、たこあげて!」
「おー!」
「メイドに萌えて、迎えましょう!」
「おおー!!」
―――歌詞が違った。
椿は思わずがっくりとうなだれそうになるが、そこは生真面目な彼女のことだ。なんとか踏みとどまる。カウンターに向かうと、大鍋でぐらぐらと雑煮が煮えている。出しても出してもまだ注文が出る。おせちおつまみセットもどんどん出る。女性客にはカクテルも出る。コック役の上月永斗が中華鍋を振り回し、何かケッタイな料理を作っていたが、とりあえず見ないことにしておく。ジュースやカクテルのたぐいをトレイに満載してホールに戻ると、注文先は女性客の一団が集まったテーブルだった。ゴスロリやらなにやらケッタイなファッションの一団。その中になぜか子供。見た瞬間、椿はあやうくトレイを落としそうになる。
「お、応理さん!?」
「あっ、椿!! メリーあけましておめでとう!!」
いったい誰から付けられたのか、猫耳を付け、リボンを付け、ついでに猫のニクキュウ手袋までつけ、女性客に囲まれてご満悦の様子の子供。子供ではない。大人でもない。一緒に仕事をしたこともある。それどころか椿は彼に師事したことすらある。―――群墨応理。
「わー応理くん、ジュースきたよー!!」
「わーい、ありがとう〜」
「もっと飲んで飲んで!! よかったらお酒も飲んでいいよ!!」
「ううん、ボクまだ子供だからお酒は飲めない!」
……何をやってるんだ。
男児に萌える、そんな性的嗜好を『ショタコン』という。そんな知識がアキバに来て身についた。付かなくても正直よかった。応理はショタコン男女に取り囲まれ、ちやほやされてご満悦の様子だ。その上椿を手招くと、「こっち、こっち〜」と近くの席を指す。
「あの、ご主人様、私仕事中ですので……」
「まあまあ、気にしないでもいいって! 今はメリーあけましておめでとうだからキミも一緒に祝おう! ささ、飲んで飲んで! ご主人様の命令だぞ!」
千年変わらぬ可憐なボーイソプラノでふんぞりかえる応理に、周りがキャーと騒いだ。萌えている。周囲に助けはいないかと見回すと、同じくメイドの綾や桜なども客に取り込まれていた。「はう〜」だの「はにゃ〜」だのと聞こえてくるのは…… もう、言うまでも無い。隼人を除くウエイターたちはもっと気の毒な状態になっていたようなので、椿はとうとうあきらめた。一杯でも飲めば開放されるだろう。
「ささ、飲んで飲んで」
「ありがとうございます、ご主人様……」
「椿ちゃんはいつも礼儀正しいなあ! メイドの鑑!」
「あたりまえだよ、ボクの教育がいいんだから。だってボクは椿の躾係だったんだからね! メイドの修行は厳しい!」
「へえ、どんなの?」
「まず一日お辞儀千回! ありがとうございますからもうしわけございませんまで! 崖昇りから拳銃の分解と組み立て方、ヘリコプターの操縦から時限爆弾の解除方法まで!! メイドはご主人様を守るためなら身をもって戦う! ご主人様たちの平和な日常を守る、これこそメイドの勤め!!」
「ちょっ、応理さ……!!」
周りは応理の冗談だろうと思ってどっと笑うが、椿は笑うどころではない。確かにそれら全ては応理から習った。だが、それはUGNのチルドレンとしてだ。
ここではあくまで椿は”真面目系”メイド玉野椿であり、”シルクスパイダー”UGNチルドレン玉野椿ではない。舞台の上で誰かが何かを叫び、周りの注意がそれた隙に、椿は慌てて応理の隣に割り込んだ。
「ちょっ…… 何言ってるんですか!?」
「まあまあ、みんな冗談だと思うって。ボクはまだ10歳だし〜」
「10歳児は普通こんな時間にアキバのメイド喫茶には来ません!!」
「霧谷の甥ってことになってるんだよ。平気、平気」
誰も見ていない隙を狙って、応理は自分のオレンジジュースにシャンパンを混ぜている。それが子供のやることか。しかし、止めても仕方ないということは長い付き合いで重々分かっているので、椿はとうとうため息をつくしかなかった。そんな椿に応理は笑った。
「楽しそうじゃないか。良かったね」
ふと、大人びた一言。椿ははっとする。
「キミも、隼人も、……狛江も。みんな幸せそうだね。来てよかった」
ホールを見る。隼人は機敏に働きまわりながら、あちこちのテーブルで冗談を振りまいていた。舞台の上を見る。狛江は周りの客と肩を組んで、何かの歌を歌っていた。何の歌なのかは椿には分からなかった。たぶんアニソンだろう。おそらく狛江にも歌詞は分かっていない。けれども、調子ハズレな大声で、間違った替え歌を歌いながら、狛江は満開の笑顔で笑っていた。
「なんで応理さん…… ここへ」
「ボクもたまにはにぎやかに、大事な人たちと新年を迎えてみたいんだよ。千年に一度くらいはいいだろう? ……去年も今年もいろいろ大変だったからねえ!」
応理は微笑う。まるで、全てを知っているような笑顔だった。千年の時を越えた『永遠の少年』の顔。
「去年の正月は、みんなで本部だったっけ」
「ええ、みんなでおせちを食べて、お雑煮を食べて……」
「すぐにどこかの支部に配属だったかな。短いけど、わりといい正月だったね。でも今年のほうがもっといい。狛江には、たぶん、今までで一番いい正月だろうね」
椿は一瞬、言葉に詰まった。
あたし今年は絶対に幸せになるんだ!
思い出す。椿は、おずおずと切り出した。
「あの…… 応理さん」
「うん?」
「狛江、ちょっと誤解してるみたいなんです…… 『福袋』について」
「ふうん?」
椿はぼそぼそと呟いた。狛江の誤解について。『幸せが詰まっている袋』について。
「でも、『福袋』にはそんなもの入ってませんよね? 狛江ががっかりしないかと思うと、心配で……」
「ふぅーん……」
応理はすっと目を細める。……そして、ふいに、舌ったらずな作り声で、「ねえねえ!」と声を上げた。椿はぎょっとした。
「あのね、みんな、聞いて!」
「何々?」
「どうしたでござるか?」
同じテーブルに集まった男女が、いっせいに応理と椿に注目する。椿は焦る。応理は笑う。そして、みんなの頭を寄せ集めて、言った。
「あのね、あそこにいる狛江と、この椿…… メイド狛江とメイド椿は、『福袋』を買ったことが無いんだって!」
「「「ええ〜???」」」
みんなの視線が集まる。椿は反射的に肩を縮めた。
「しかもメイド狛江は『福袋』を『幸せの入った袋』だと思ってる! どうしたらいいと思う?」
ばかにされる。
反射的に、椿は、そう思った。
どうしようもない反射。今までの日常から切り離された生活へのどうしようもない劣等感と、それと裏腹の優越感。卒業したと思っていた。けれども、まだ抜け切れてはいない。相手からの反応が怖い。
けれど。
返ってきた反応は、まったく予想と違ったものだった。
「えー、幸せが入った袋!! そんなのどこで売ってるでござるか!?」
「あたしもほしいー!! 幸せと萌えのたくさん入った福袋!!」
「アキバには『不幸袋』も売ってるから油断は禁物にゃ〜」
「じゃあ、狛江ちゃんと椿ちゃんのために、本当の幸せが入った袋を探さないと!」
椿は、驚いた。
客たちはざわざわと盛り上がり始める。12時になったと同時に、特別に開店している店の店頭では福袋を売り始める。そのために並んでいる客もいる。その中のどれに本当の『幸せ』が入っているか。それを見つけるにはどこへ行けばいいか。どこで買うか。何個買うか。どれだけ買えば、『幸せ』が見つかるか……
「じゃあ、12時になったらみんなで買いに行かない!?」
「メイドさんの連れ出しはOKにゃりん?」
「大丈夫、大丈夫! お正月は特例! 出張メイド!!」
最後の一言は応理だった。
その瞬間、椿の中で、何かが、ぽっと暖かく灯った。椿はその感情に戸惑った。けれども覚えがあった。たしかにこれは知っている気持だった。
日常――― 幸せ。
「見つかると思わないかい、椿?」
応理は言う。そして椿を見て、にっこりと笑う。
「『幸せ』なんて…… ふと足元を見ると、売ってるみたいだね?」
椿は頬が熱くなるのを感じる。そして、周りを見る。笑顔。笑顔。みんな、気の合う仲間たちと新しい年を迎える幸せに、満ち溢れている。
「―――はい」
椿が頷くと、みんながどっと歓声を上げた。その騒ぎに気付いて舞台の上の狛江もこちらをみる。ぴょんと舞台を飛び降りて、「何なに?」と近づいてくる。
椿は、笑顔で、手を差し伸べた。
「狛江! 12時になったら、みんなで店を出て、『福袋』を探しに行かないかって」
「いいのか!?」
狛江は、ぱっと笑顔になった。
「うわあ、すごい! 欲しい欲しい幸せの入った袋!! ……見つかるかな?」
椿は周りを見回す。たったひとときを共有するための、けれど、同じひと時をたしかに祝ってくれる人々。友達。仲間たち。
みんなが今、幸せを願ってくれる。『日常』を知らない二人のために――― 一緒に『幸せ』を探してくれる。
「見つかるよ、きっと」
椿は、手を差し伸べた。
「『幸せ』がいっぱい入った袋、見つかるといいね!」
「うん!」
狛江の手が、椿の手をぎゅっと握る。暖かい手。
あたし今年は絶対に幸せになる。……狛江の願いはきっと叶うだろう。
たとえ、そこに何が詰まっているとしても、みんなで探す『福袋』の中には、今年一年への希望と、幸せへの願いが、たっぷりとつまっているはずなのだから。