絶滅鳥類図鑑のページに





絶滅した鳥たちの図鑑のページを開くと
人間などいなくなっても 何も変わらないさと彼らがささやく

飛べない鳥のドードーが
オオウミガラスやモアたちが
歌っている
私たちがいなくなっても 何一つ変わらなかったと

明日も空は青く
風が吹いて
春には陽が降り注ぎ
冬には雪が降り
雲は空を往き
海が浜辺に打ち寄せるだろう

何もかわらないのさ
わたしたちがいなくなっても
何も変わらないよ
おまえたちがいなくなっても

絶滅した鳥たちの図鑑のページから
リョコウバトが歌う
キタタキが歌う

何も変わらないのさ
誰が消えても
誰が生まれても

生まれることすらなかったミヤコショウビンが
図鑑のページから見つめ返す

何も変わらないさ
人間がいなくなっても
何も変わらないさ
お前が消えてしまっても

だから大丈夫
生きていても大丈夫と

絶滅した鳥たちが、図鑑のページから、私に歌いかける。




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