あとがき
おとぎ話パラレルって一時期はやってたなあと思います。当時のおとぎ話パロディは単なるポルノ的な側面にだけ目をつけたような代物が多くてあまり好きじゃなかったのですが、おとぎ話の深層的な本はすごく好きです。今だと諸星大二郎の『グリムかもしれない』とか、タニス・リーの『血のごとく紅く』なんかがとても好きー。おとぎ話を題材に取りつつ、どことなく深層心理的なことがらをテーマにとって書いてる雰囲気がいいなあと思います。
今回の『あかずきん』は、『森』の恐ろしさと『人』のおそろしさをパラレルな関係として描いてみたいなと思いました。
無意識から這い出て人を飲み込む森の恐ろしさと、あくまで人間的にそれに対抗しようとするからこその狭量な恐ろしさ、のような。無意識は何もかもを飲み込む深淵ですが、それに蓋をし続けようとする徒労もまた怖いもんだよ的なイメージ……
ラストははからずも「次もあるよ」的な雰囲気にオチてしまいました(笑)
童話パロディだと書きたいネタはほかにもあるので、カスパールやあかずきんちゃん、ドロテアなんかもまた出てくるかもしれません。あと今回書き落としたのはあかずきんちゃんの『本名』! どっかで出したいなあ。でも、それを掴まれたら彼女は一巻の終わりなんですが。
いちおう、次は『白雪姫』の予定です。そのときにはまたこの人々にお付き合いくださいませ。
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