「かごの中を探す!」
「……かごだ」
おれたちはそう答える。ちがうでしょう、と優しくたしなめられる。
なんで自分がいないところでアンがしたことを、サリーが分かるの。そう思ってもう一度考えてみて。
でも、おれは思う。だって、覇王がおれの宝物をどこかへ隠してしまったなら、おれにはぜったいにそれがわかる。覇王もそうだと思う。だからおれたちはそう答える。
おれたちは、毎日同じベットで目覚める。ならんで朝食を食べ、それから本を読み、潮風が枯れた草をしおからくする丘を歩き、本を読み、またものを食べ、そして、同じベットで抱き合って眠る。
それはおれたちが生まれたときからずっとそう決まっていることで、たぶん、明日も明後日もそのつぎも、ずうっと同じだろうと思う。覇王はおれのたったひとりの兄弟だから。でも、どっちが兄で、どっちが弟なのかは分からない。教会のシスターはときどきはおれが兄だと言い、またときどきは弟だと言う。病院の人はどっちがどっちでもないって言う。
おれたちは双子の兄弟で、そして、生まれたときから腰のところがくっついていて、離れることができない。
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