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……おねえちゃん、おねえちゃん。
いやだよお。やだよお。おねえちゃん、おねえちゃん、おねえちゃん。
いたいよお。もうやだよお。たすけてよう。おねえちゃん、おねえちゃん。
ああ、あの声。助けてあげないといけない。すぐに行ってあげないと。あの子を守ってあげないと。
そう思うと、自然に言葉が口から出てくる。
大丈夫、大丈夫だよ。
きっとおねえちゃんが守ってあげるから、大丈夫。泣かないで。もう泣かないで。ぜんぶおねえちゃんが、なんとかしてあげるから。
なのに、声は泣き止まない。子ども特有のヒステリックな叫び声を交えて、高く、低く、続いた。
おねえちゃあん! おねえちゃああん!!
―――ああ、どうして泣き止まないの。
こんなに一生懸命守ってあげてるのに、なんで泣いてるの。泣いてるだけなの。
甘えないで。おねえちゃん、もう、一生懸命なんだよ。出来る限りのこと、なんでもやってるんだよ。キミのためならなんでもできる。なんでもしてあげられる。なのに。
おねえちゃん、おねえちゃああん!!
助けてあげるって、助けてあげるって、言ってるのに、ずっと、なんで、泣き止まないの。
一生懸命キミのためにがんばってるのに、できることならなんでもしてるのに、なんで、どうして、キミは、オマエは、どうして、どうして、どうして。
……おねえちゃああああん!!!
「……ねーねー!!」
僕は、目を覚ました。
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